どちらが、お得? 購入と賃借


 マイホーム購入と賃借、どちらが経済的か? 簡単なモデルケースを設定(現在時点で購入と賃借を比較)して検討してみましょう。

【購入】
 マンション価格2500万円、購入時諸経費250万円、資金計画(自己資金750万円、借入金2000万円、借入金利3.5%、返済期間25年の場合、元利均等払いで月101,123円、ボーナス時0円)、保有期間中の経費(固定資産税年10万円、管理費月5千円、修繕積立金月5千円)、運用利回り2%

【賃借】
 1年目家賃10万円、家賃上昇率を年1.5%とすると、15年目家賃12.5万円、25年目家賃14.5万円、40年目家賃18.1万円、管理費月5千円(一定額) 

  15年目末25年目末40年目末
購入1 ローン支払総額1820万円3033万円3033万円
元金部分(990万円)(2000万円)(2000万円)
利息部分(829万円)(1033万円)(1033万円)
2 固定資産税150万円250万円400万円
3 修繕積立金90万円150万円240万円
4 管理費90万円150万円240万円
5 自己資金750万円750万円750万円
6 自己資金運用益259万円480万円906万円
7 支出合計(1~6)3159万円4814万円5569万円
8 ローン残高(元金部分)1010万円0円0円
9 合計
(7支出合計+8ローン残高)
4169万円4814万円5569万円
賃借A 家賃支払総額2001万円3607万円6512万円
B 管理費90万円150万円240万円
C 支出合計(A+B)2091万円3757万円6752万円
差額(購入(9)-支出(C))2078万円1057万円-1183万円

 15年目末では、売却費用等を除いた手取り額が2078万円超で売却できれば購入の方が得(購入有利)、その額未満でしか売却できなければ損(賃貸有利)となります。

 25年目末では、同様に1057万円超で売却できれば購入の方が得(購入有利)、その額未満でしか売却できなければ損となります(賃貸有利)。

 40年目末では、購入の方が得(購入有利)となります(リフォーム費用等を考慮していません)。



 試算を大きく左右する要因は、住宅ローン借入金利と将来のマイホーム価値の2つです。前者は購入時に長期固定金利を選択することによりある程度リスクを回避することができますが、後者については予測不能です。



 以上は経済的な観点からのみの考察ですが、各家庭の事情又は価値判断により他の観点からの考察も含め、総合的に検討されることが望ましいと考えます。